オザック技術情報

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リニアモーションベアリングの構造と特長

リニアモーションベアリングは上図のように外筒の内側に保持器をとりつけ、その保持器内を多数のボールが極めて円滑に無限循環運動を行うような構造になっております。保持器は外筒の両端の止め輪によって固定されその各ボール循環路には一方の直線部分に切り欠き窓が設けてあり、この部分の負荷域ボールが軸と転がり接触しながら非常に低い転がり摩擦で相対移動を行いますので、リニアモーションベアリングは省力化機器、自動化機器、省エネルギー機器等には最も適する案内軸受であります。

この軸受は現在、電気・機械や電子・半導体用機器、自動機、ロボット、工作機械、計測機器、事務機、食品・自動包装用機械、医療機器、印刷機械、繊維機械等に広範囲にわたって使用されております。

オザックリニアモーションベアリングをご使用になりますと、次のようなメリットがあります。

1.転がり接触を行うため始動摩擦抵抗ならびに動摩擦抵抗が極めて小さく、したがって小型の動力源を使用することができるため省エネルギー化を図ることができ、しかも無理なく高速化を図ることができます。

2.作用荷重が増大しても摩擦係数はほとんど変化しないため、重荷重下でも摩擦損失が少なくてすみ、そのうえ長期にわたる精度保持が可能なため、長期間にわたって高い信頼性をもつ案内機構を得ることができます。

3.設計者はその機械に最も適するリニアモーションボールベアリングを選定するだけで、ストロークには全く関係のない直線案内構造を容易に得ることができます。

4.リニアモーションボールベアリングには完全な互換性がありますので、交換は極めて容易に行うことができます。

5.リニアモーションボールベアリングを使用すればコンパクトでスマートな直線運動機構を得ることができ、機械の小型化、軽量化を図ることができます。

6.潤滑油の漏出を極度に嫌う場合には、シール付でないベアリングを無潤滑状態で使用する方法を採用することもできますが、一般には両側シール付ベアリングを使用してベアリング内の油の漏れを防ぐのが適当です。また、両側シール付グリース封入ベアリングを使用すれば、給油の手間も省けて、潤滑保守の省力化が図れます。

7.両側シール付ベアリングは塵埃の多い場所や異物の侵入する恐れがある場所での使用に適します。

リニアモーションベアリングの種類

標準型
最も広く一般に使用されている型式のものでオザックには次のような2つの異なった寸法系列のものがあります。
Lシリーズ :メトリック寸法系列(日本国内用)
LEシリーズ:メトリック寸法系列(欧州用)

シール付型
ベアリングの片側あるいは両側にリップ形式の特殊合成ゴム製シールが設けられたもので、塵埃の多い環境や異物の侵入する恐れがある条件下での使用に適します。この種のベアリングはまた、ベアリング内のグリースの漏出も防止することができます。
L…U(片側シール)、UU(両側シール)、LE…U、UU、ML…UU

ミニチュア型
軽薄短小時代のニーズに対応すべくシリーズ化いたしました超小径サイズで内径3、4、5㎜のものがあります。

防錆処理型
外筒には、ステンレス鋼よりはるかに防錆効果がある高精度な防錆処理を施し、止め輪はステンレス鋼とし、保持器は全型番プラスチックを採用し、防錆効果が高く、経済性に富んだシリーズです。
ML、ML…UU

油穴付型
外筒外周面にボール列数に等しい油穴数を設けた完全給油orグリース潤滑方式です。
L…OH(両シール付)、ML…OH(両シール付)

開放型
ボール1列分に対応する外筒部分を切除した型式のもので、軸のたわみを防ぎ剛性の高い案内機構を得るため軸の下にたわみ防止用の支持台を設けて使用することができるうえ、スキマ調整型と同様に軸に対して常にガタの無いハメアイ状態を得ることができます。
L…OP、LE…OP

スキマ調整型
外筒に軸方向のスリットが設けられた型式のもので、内径を調整可能なハウジングに組み付け調整しながら使用すると、軸に対して常にガタの無いハメアイ状態を得ることができます。
L…ADJ、LE…ADJ

メンテナンスフリー型
新開発シール構造により、グリース漏れが大幅に防止されます。
その為、転がり接触面に充分な油膜が形成され、既存品よりさらに長寿命化が図れます。Gグリースを封入することで一層の長寿命化を図れます。
【L…MF、ML…MF】

     

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